抗加齢医学における歯科の果たす役割は大きく、以下のようなアンチエイジングの実践が望まれている。
1.唾液には生体の恒常性に重要な成長因子や抗菌物質など、全身の健康を司る重要な物質が多種多様に含まれおり、アンチエイジング医学の実践にも欠くことの出来ないテーマである。本研究会では唾液の分泌促進の為の様々な試みを提案する。
2.近年、老化を防ぐために抗酸化物質等を摂取する栄養療法の効果が次々に証明されていることから、「ドクターズ・サプリメント」の必要性が求められている。このサプリメント摂取は、アンチエイジング医学を構成するひとつの柱である。アンチエイジング医学の普及・啓発を行なっている日本抗加齢医学会ではサプリメント摂取は「第3ステップ」に位置づけている。第1ステップは「知識の増大」で、老化の原因は何かなどについて理解を深めることとしている。第2ステップは「ライフスタイルの改造」であり、生活習慣の改善なくしてアンチエイジングの実践は不可能であり、その次にサプリメント摂取となる。血液等の検査を行い生活習慣を調べることで、EBMに基づいて必要なサプリメントを処方することを歯科医師の新たな役割と考え、その検査方法や処方についての講習も企画している。
3.容貌の若さを保つこともアンチエイジングには重要な要素の一つである。歯科領域では審美歯科やインプラントも既に普及しているが、筋機能療法という口腔周囲筋や表情筋を鍛えるトレーニングにより「しわ」や「たるみ」などの改善を行うことも可能であり、これを歯科衛生士の新たな職域として拡大していきたい。
4.重金属汚染についても歯科領域が深く関与している。歯科治療や義歯などで使用されている歯科用金属や歯科材料の加齢に与える影響も明らかになってきており、これらの診断やその改善に対し、歯科の積極的な取り組みが医科からも期待されている。
5.口腔粘膜の細胞を用いた遺伝子診断も歯科の新たな診療分野として検討されている。 このような検査により生活習慣病や癌、アルツハイマー病に罹患する危険性がある程度予測できるようになり、この解析と従来の検査を組み合わせることにより歯科における新たな予防法としてのアンチエイジング医療の実践が可能になるだろう。
アンチエイジング医学において歯科が関わる領域が多種多様に及ぶことは自明である。 これらの実践は歯科と医科との密な連携により高度な抗加齢医学が達成可能となることから、その具体的な方法の普及を目的に講習会等を企画し活動する。
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